今回はエフェクトについてです。
エフェクトを使うとレイヤーにいろいろと面白い効果を与えることができ、表現の幅がぐんと広がると思います。
【対象】
エフェクトの使い方を知らない人。
NiVE2の基本操作ができる人(キーフレームを使ってレイヤーを移動したり拡大縮小ができる程度でOK)
目安としては、『NiVEⅡ初心者入門講座』の第7回まで読んでいただいた方なら、とりあえず大丈夫だと思います。エフェクトの使い方を知らない人。
NiVE2の基本操作ができる人(キーフレームを使ってレイヤーを移動したり拡大縮小ができる程度でOK)
レイヤーにエフェクトを適用する方法
エフェクトの適用方法はとてもシンプルです。タイムラインで適用したいレイヤーを選択した状態で、メニューバーの[エフェクト]から使いたいエフェクトを選ぶだけです。
ただし、ただ適用しただけでは何の機能もしないエフェクトもあります。
今回作成するサンプルムービー
今回はエフェクトを使って下記のような短いムービーを作ります。イラストが遠ざかりながらセピア色になり、だんだんとモザイクがかかっていきます。
鮮やかだった思い出が色あせて薄れていくようなイメージのつもりです。
使ったエフェクトは「セピア」「モザイク」「輝度・コントラスト」の3つです。
それでは作っていきます。続きを読むには下記の「もっと読む」をクリックしてください。
(ほとんどの画像はクリックすると拡大します)
準備
左図ようなイラストを用意しました。(背景は足成さんの写真を少し加工させてもらいました)
まずは8秒のコンポジションを作成したあと、イラストをNiVEにアイテムとして読み込んでタイムラインに配置しておきます。
「メイド」というレイヤー名にしておきました。
メイドレイヤーを配置したら、タイムラインパネルからトランスフォームを開いてスケールを変更します。
インジケータを動かして0:00:01:00(1秒)のフレームと、コンポジションの最後のフレームにキーフレームを打ちます。
イラストが徐々に小さくなるようにスケールの値を設定します。
エフェクトでレイヤーをセピア調にする
次に、タイムラインパネルでメイドレイヤーを選択した状態で、メニューバーから[エフェクト]→[色調補正]→[セピア]を選びます。すると、プレビューパネルに表示されたイラストがセピア調に変わります。
メイドレイヤーのタイムラインの[エフェクト]を展開すると、中に[セピア]が追加されています。
さらにセピアを展開すると、不透明度という項目が表示されます。(初期値は100)
この不透明度は、セピアエフェクトの不透明度です。
100で完全にセピア調になります。(上図を参照ください)
不透明度の設定はキーフレームで制御できるので、「徐々にセピア色になる」という表現も可能です。
サンプルムービーでは、3秒と6秒のところにキーフレームを作り、それぞれ0、100と設定しました。
これで3秒目から6秒目にかけてメイドレイヤーが徐々にセピア色に変色していきます。
エフェクトでレイヤーにモザイクをかける
エフェクトはレイヤーに複数適用することができます。
次はレイヤーにモザイクをかけます。
タイムラインパネルでメイドレイヤーを選択した状態でメニューバーから[エフェクト]→[スタライズ]→[モザイク]を選びます。
すると、プレビューパネルに表示されたメイドレイヤーにモザイクがかかります。
このモザイクの粒の大きさも、キーフレームで制御することができます。
メイドレイヤーのタイムラインの[モザイク]を展開すると、「水平ブロック」「垂直ブロック」という項目があります。(初期値はそれぞれ10)
これはレイヤーの分割数を表しています。水平ブロックが横、垂直ブロックが縦の分割数です。
両方とも10に設定した場合、「レイヤーを縦横10分割した大きさ」=「モザイクの粒の大きさ」ということになります。
値を大きくすると細かい粒になります。
「モザイクがかかっていない状態」にするには、「これ以上分割できない数」まで分割数を増やします。 簡単に言うと、元のイラストのピクセル数に合わせればOKです。
このイラストの大きさは645px×451pxだったので、そのように設定しました。(上図左側参照)
サンプルムービーでは、3秒目からモザイク化をはじめ、最後のフレームでは水平、垂直ブロックともに20に設定しています。
しかし、これだけだとブロックが粗くなってからの変化が急すぎるように見えてしまいます。
そこでさらに7秒目にキーフレームを設定し、水平、垂直ブロックとも30に設定し、残りの7秒~8秒までの変化をゆるやかに見せています。
(レイヤーの変化の度合いを変更する機能(いわゆるイージング)については、ここでは説明するのが難しいため、このような措置を取りました。機会があれば解説したいと思います)
エフェクトでレイヤーの明るさやコントラストを変更する
モザイクをかけた時点で終わりでも良いのですが、セピアにしたせいで画面が暗くなってしまった気がするので、もう一つエフェクトを適用して明るさを調整したいと思います。タイムラインパネルでメイドレイヤーを選択した状態でメニューバーから[エフェクト]→[色調補正]→[輝度&コントラスト]を選びます。
これで3つエフェクトを適用したことになりますが、エフェクトは使えば使うほどNiVEが重くなるということを留意しておいてください。
特にプレビューではすぐに影響が出ます。通常プレビューでもっさりするのはもちろん、RAMプレビューでキャッシュが極端に遅くなったり、キャッシュできるフレーム数が激減することがあります。
「最初から最後までセピアの画像のまま使う」という場合などは、画像編集ソフトで初めからセピアの画像を作ってそれをアイテムとして読み込むようにするなど、使わなくていいところでは極力使わないようにした方が良いと思います。
「輝度&コントラスト」の場合、エフェクトを適用しただけではプレビューパネル上の変化は見られません。
これは初期の設定値が0であるためです。
タイムラインパネルから「輝度&コントラスト」を展開すると、「輝度」「コントラスト」の項目があります。
サンプルムービーでは3秒目から最後のフレームにかけて徐々に輝度を上げていくように設定しました。
補足
以上で サンプルムービーは完成ですが、ここからエフェクトに関して少し補足します。【エフェクトの表示・非表示】
エフェクトもレイヤーのように表示・非表示を切り替えることができます。
タイムラインパネルの左端にある「Fx」というアイコンをクリックすると、表示・非表示が切り替わります。(左図参照)
【エフェクトの順番について】
エフェクトは一つのレイヤーに複数適用できますが、効果の結果はエフェクトの順番によって変わることがあります。
エフェクトは基本的に上から順番にかかっていきます。
どういう感じになるか、実際にやってみます。
メニューバーから[エフェクト]→[ブラー]→[ブラー(ガウス)]を選びます。
タイムラインパネルの「ブラー(ガウス)」を展開して範囲の値を20にします。
すると、イラストが左図のようにピンボケしたような状態になります。
ブラーは、レイヤーにぼかし効果を出すエフェクトです。
次に先ほどと同じようにモザイクをかけてみます。
水平、垂直ブロックともに値を20にしました。すると、上図左側のような結果になります。
しかし、先にモザイクをかけた後にブラーを適用すると、上図右側のような結果になります。
右側はモザイクをかけたあとにぼかしを入れているので、モザイクごとぼかされます。
逆に左側はぼかした絵の上からモザイクをかけるので、モザイクのブロックがぼけることはありません。
エフェクトはドラッグ&ドロップで上下を入れ替えることができます。(若しくはエフェクト名の上で右クリック→上に移動 or 下に移動)
【エフェクトパネルの利用】
タイムラインパネルでエフェクトを展開すると、縦の項目が増えてスクロールバーをせわしなく操作するような状態になります。
そのようなときは、選択レイヤーのエフェクトのみを 展開して見れるエフェクトコントロールパネルを使うと便利です。
メニューバーの[ウィンドウ]→[エフェクトコントロール]でパネルを出すことができます。
まとめ
- エフェクトを適用する方法:タイムラインパネルで適用するレイヤーを選択し、メニューバーの[エフェクト]から使いたいエフェクトを選ぶ
- 単に適用しただけでは効果を発揮しないエフェクトもある
- エフェクトは一つのレイヤーに複数設定できる
- エフェクトを多用すると重くなる
- エフェクトは適用する順番によって効果の結果が変わる
それでは、今回はこれで終わります。
NiVE2追加講座目次へ→
0 件のコメント :
コメントを投稿