2012年6月8日金曜日

【AE】実写素材の背景を、イラストキャラになじませる方法【Tips】

After Effectsのエフェクトを使って、実写素材の背景をイラストキャラになじませる手順をご紹介します。(ちなみに素材が一枚絵ならPhotoShopでも同じことができます。記事の最後に補足として記載しておきますので、ご参考ください。

→120615追記:PS用の記事作りました【PS】写真背景を調整し、イラストキャラに違和感なく合成する【Tips】

AEで動画などを作る際、シーンに合わせて背景を描ければ一番いいのでしょうが、『時間がない、その前に背景描けない』となれば、既存の素材や実写の素材を使うということになるかと思います。
しかし単に実写の背景にイラストを乗せただけでは、違和感が隠せません。
そこで、背景素材をぼかすなどして、人の手で描いたような効果を出し、違和感を解消します。

※ちなみにこれは実写素材をイラストになじませるTIPSであって、写真をあたかも「人が描きました」と誤魔化すTIPSではありません。
見る人が見れば写真を加工しただけだととすぐにわかります。


下記のようなギャルゲー風の画面を作ってみたいと思います。
…実際AEでギャルゲーは作れませんが。





1 素材を重ねる

背景となる実写素材(今回は写真)と、女の子を用意しました。


二つの素材を、大きさと位置を調整して普通に重ね合わせてみた画面が、下記です。
雰囲気を出すためにテキストを入れてみましたが、モロに写真にイラスト乗っけました!という感じです。
コンポジションのサイズは640px×384pxのニコ動サイズです。


2 エフェクトを加える

写真のレイヤーに、次のエフェクトを加えます。
(女の子のレイヤーも多少弄ってますが、このTipsにはあまり関係ないので割愛します)

  • [エフェクト]→[ブラー&シャープ]→[ブラー(詳細)]
  • [エフェクト]→[ノイズ&グレイン]→[ミディアン]
  • [エフェクト]→[色調補正]→[色相/彩度]
  • [エフェクト]→[色調補正]→[輝度&コントラスト]

写真がうまくボケるように、値の効果を確認しながら調整してください。ブラーとミディアンは、素材の大きさによって適切な値がかなり変わってくると思います。(この写真素材は1600px×1200pxあります。大きすぎた…)


色相やコントラストも、イラストの明るさなどに合うように適度に調整します。



下記のような結果になりました。


3 細部を調整する

このままでもいいと言えばいいような気もしますが…
手前の草の部分がボケすぎな感じがするのと、川の水のあたりがやや詳細すぎる気がします。


そこで、写真レイヤーを二つ複製し、川の部分と、手前の草の部分にマスクをかけます。
マスクは~50pxくらいのぼかしを入れた方が良いと思います。



川の部分はブラーとミディアンの値を上げました。


手前の草の部分は、ミディアンを削除し、ブラーの値を調整して草の穂(?)がわかる程度にはっきりさせました。


※彩度や輝度も若干修正してます。


4 完成

最後に全体の色調などを調整し、完成です。

ちょっと彩度が高すぎる気もしますが、キャプチャ取り直すのが面倒なので目をつぶってください。
しかしそれでも、最初の状態と比べると、かなりキャラクターと背景の違和感は解消されたのではないでしょうか。


さらに手を加えるなら、橋の部分だけ輪郭を抽出し、薄く上に乗せたりなどできそうですが、あまりレイヤーが増えると面倒なので今回はこれで完成とします。
興味があったら、試してみてください。

補足

ちなみに静止画ならPhotoshopでほぼ同じ効果が付けられるので、素材が一枚絵なら先にPhotoshopで効果を付けてしまった方が、AEのパフォーマンスが良いと思います。

→120615追記:PS用の記事作りました【PS】写真背景を調整し、イラストキャラに違和感なく合成する【Tips】

が、スペックに自信があるならAE内で調整した方が楽です。

参考までに、AEのエフェクトに対応するPSのフィルターを載せておきます。
(CS5の場合・バージョンによって違う可能性あり)

  • AE:ブラー(詳細)→PS:[フィルター]→[ぼかし]→[ぼかし(詳細)]
  • AE:ミディアン→PS: [フィルター]→[ノイズ]→[明るさの中間値]
  • AE: 色相/彩度→PS:[レイヤー]→[新規調整レイヤー]→[色相・彩度]
  • AE: 輝度&コントラスト→PS:[レイヤー]→[新規調整レイヤー]→[明るさ・コントラスト]

ちなみに、いくつからあるのか定かでないのですが、新しめのPSバージョンを使っているならば、色調補正やフィルターを使う際、調整レイヤーやスマートフィルターの使用をお勧めします。(古いバージョンにはありません)




※写真素材は足成さんのものを使わせていただきました。

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